約三十の嘘 特別版 [DVD]

約三十の嘘 特別版 [DVD]

<補足作品情報>

上映時間:100分
製作国:日本
初公開年月:2004/12/18

監督:大谷健太郎
プロデューサー:久保田修
        小川真司
原作:土田英生
脚本:土田英生
   大谷健太郎
   渡辺あや
撮影:鈴木一博
プロダクションデザイン:都築雄二
美術:佐々木尚
編集:掛須秀一
音楽:クレイジーケンバンド
音楽監修:二見裕志
照明:上妻敏厚
整音:岩倉雅之
録音:小林徹哉
助監督:片島章三
 
出演:椎名桔平(志方大介)
   中谷美紀(宝田真智子)
   妻夫木聡佐々木健二)
   田辺誠一(久津内守)
   八嶋智人横山宏紀)
   伴杏里今井優子

 何かやたら映画を観ているようですが、これはたぶん現実逃避的な部分もあると思われます。レンタルが安いのがいけない。
 これはキャストがあまりに豪華なのでびっくりして借りた感じ。僕は結構日本のサスペンス映画が好きです。割合ウィットに富んでいて雰囲気が暗くならないけど、ちゃんとサスペンスになっているので。
 久しぶりに集まった詐欺師チームは、うまい具合に7000万稼ぐことに成功する。その金の入ったスーツケースを一人が預かり、残りのメンバーが本物を含めた5つのスーツケースの鍵を一本ずつ持つ。しかし、朝起きてみるとスーツケースの中の金が消えていた。お互い疑い合う6人。
 ストーリーを進めているのは、スーツケースの中の金の行方を探すという筋。そこに、過去のチームの出来事や「女」の絡んだストーリーが乗ってくる。話のテンポはとても小気味よく、観ていて気持ちいいくらい。頭が弱そうな女を演じる伴杏里と、それに対して闘志をむき出しにする宝田役を演じる中谷美紀、宝田を取り巻く志方と佐々木の対立のような構図が明確なので、安心して観ていられる。とりあえず、よく作ってある映画だなと思った。
 この作品の面白いところは、この舞台に登場する詐欺師たちが、現実の人間たちよりもよっぽど正直に描かれているというところ。ただ一人だけが胡散臭いわけだけれど、嘘つきの詐欺師にヒューマニティーをかぶせているところが可笑しい。可笑しいから妙に納得する。最後の方の中谷美紀の表情、言葉なんて冷静に観ていたら可笑しすぎるんだけど、そのギャップを楽しんでいる感じで面白い。
 映画の中で、「大きい嘘を一つつくと、約30の小さな嘘を積み重ねないといけない。だから、大事な時には一番核心の部分だけ本当のことを言うんだ」というような台詞が語られるが、正にこの一言に尽きる。この台詞を言うためにがんばって映画を作った感じ。結構ぐさっとくる台詞です。それが結構いい位置に出てきたりします。
 謎解き要素としては単純だしそう動きも無いので、こういうサスペンスは、ただ「驚きたい人たち」にはつまらなく映ったんだろうなと思う。風評が大して良くないのはそのせいか。


 どうでもいいけど、日本人の有名人の名前がたくさん登場すると急にこのページのカウンタが回る。